7-6. 遺伝子発現用の大腸菌プラスミドベクター
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1) 遺伝子発現の基本戦略
転写のタイミングと量を制御するため、プロモーターに正や負の調節配列を連結する
インサート由来タンパク質を翻訳させる方法には、自前配列単独で翻訳させる方法と、融合タンパク質として発現させる方法がある
前者では、インサートとして自身の開始ATGコドンからの遺伝子(あるいはcDNA)断片を転写翻訳制御領域の下流に挿入する
後者の場合はベクターにすでにある発現系を借用し、既存コード領域内部に読み枠を合わせてcDNAを挿入する
大腸菌での翻訳には、翻訳開始部上流のSD配列が必要
2) 大腸菌内での発現の方策
大腸菌で働くプロモーターついては、ゲノム由来でIPTGで誘導されるlac(lacPO)が一般的に使われる
lacプロモーター誘導体には、lacUV5プロモーターとtacプロモーターとオペレーターを持つ
lacUV5プロモーター
変異型lacであり、lacを抑えるcAMPに応答しない
大腸菌濃度が上昇するに従って細胞内cAMPが上がるので、菌が増えてもプロモーター活性が落ちない
tacプロモーター
trpの-35領域と、lacUV5の-10領域(プリブノウボックス)
このほか、トリプトファンオペロン由来のtrpプロモーター、T7ファージプロモーター、λファージ由来λPL$ \lambda P_L(熱やDNA合成阻害剤で誘導される)なども使用される